子どもの高さの感じ方

子どもは高いところが危ないと感じていない?

大人で高所恐怖症の人はたくさんいますが、小さい子どもは高いところにいても平気で下を覗いたりしています。
どちらかというと、高いところが好きなのかと思うような行動をとります。
公園などで遊んでいても、高いところに上って親を焦らせたり、下で見守る親がヒヤヒヤしたりといったことが多いです。

実は、小さい子どもは高いところは怖いとあまり感じていないのです。
ある国の大学で実験を行った結果、大人と子どもでは高いところでも違うものに怖さを感じることがわかりました。
大人が高いところに立つと、「高い、落ちそうで怖い」と感じ、どれくらい高いかで恐怖を感じます。

一方子どもは「高さ」よりも「狭い幅」の方に恐怖を感じるのです。
ハイハイをしている赤ちゃんでも、高いところにある幅の広い橋はすいすい進んで行きましたが、同じ高さのところにあっても幅の狭い橋は進まなかったのです。

子どもが怖がるのは幅で、それは落ちるかもしれないから怖いのです。
落ちるのは嫌だ、けれど高いのは怖くないというのが子どもの感じ方です。

大人が気をつけてあげよう

大人は「高い、怖い、危ない」と感じますが、子どもは「狭い、怖い、危ない」と感じています。
純粋に下に落ちる確率を考えてみると、高いから落ちるというよりも、足元が狭いから落ちると考えている子どもの方が正しいように思えます。
大人は、落ちた時のダメージの大きさを考えて恐怖を感じているのです。

子どもは高いところが怖くないのだといって高いところに上がって遊んでいるのを傍観するわけにはいきません。
しかし、子どもなりに足元に気を配り、落ちる危険性を考えて遊んでいることに気づくかもしれません。
ここまでなら大丈夫、これ以上いくと危ないというのを子どもなりに判断している姿を見ることができるでしょう。

今までなら高いところに上っている子どもを見たらすぐに「危ない!降りなさい!」と叫んでいた親御さんも、もうちょっと様子を見ようと思えるかもしれないです。
しかしながら、子どもの転落事故も起きていますから、小さい間は大人が気をつけてあげないといけません。

高いところにあまり恐怖を感じない子どもは、どんどん高いところに上がっていく可能性があります。
気づいたら降りてこられないようなところにいたのでは親も助けに行けなくなりますから、子どもが小さい間は目を離さないよう、見守るようにしましょう。
子どもは成長と共に大人と同じように高いところが怖い、危ないと感じるように変化していきますが、小さい間は大人とは違うところに恐怖を感じているのを理解してあげると子育ても楽しくなることでしょう。