お腹の張りを感じた時の対処法

妊娠中の身体の不調代表「お腹の張り」

妊娠中にはむくみや腰痛、つわり、便秘といった体の様々なトラブルが起こります。
その中でも妊娠初期から後期まで続く代表的なトラブルが、お腹の張りです。

実は私たちが普段使っている表現、お腹の張りとは、子宮筋の収縮を指しています。
実は子宮という臓器は袋状になっていて、筋肉で構成されています。
この筋肉は、自律神経の命令によって収縮したりするだけではなく、ホルモンや外部からの刺激によっても収縮します。
つまり子宮は外部からの刺激に敏感で、それによって収縮するため張りが起きやすい臓器と言えるでしょう。

成人女性の子宮は通常小さいものですが、妊娠末期には5リットルほどにまで膨らむと言われています。
子宮が膨らむためには、子宮やその周辺の筋肉が引き伸ばされる必要があるので、妊娠が進むにつれて、腹痛やお腹の張りを感じやすくなるんです。

お腹の張りは基本的に心配のない症状ですが、早産などにつながってしまう危険を表すお腹の張りもありますので「いつもと何か違うな?」と思ったら早めに対処することが、とても重要になります。

お腹が張りやすくなるシーン

先ほどもお話ししたように、子宮は外部からの刺激に敏感に反応し、収縮を起こす臓器です。
日常生活の中での思わぬ行動やシーンで、お腹の張りが悪化してしまうケースがあります。

まず一つ目は、同じ姿勢を長い時間続けた時です。
歩き続けたり立ち続けたりすることも、この同じ姿勢として考えられます。
同じ体勢を続けることで子宮を支えている靭帯が引っ張られるため、「子宮の張り」つまりお腹の張りとして感じてしまうことがあります。
定期的に姿勢を変えたり、長時間の散歩などは控えることで、このお腹の張りを避けることができます。

妊娠中期に起こりがちなのが、仕事や家事・運動などで、体を動かし過ぎるということです。
つわりの症状が落ち着き始め妊娠そのものに慣れてくると、これまでは安静にしていたのに、仕事や家事を一生懸命行いたくなるという方がいます。

また、妊娠中期にはウォーキングやスイミングなどの軽いエクササイズを始める方も多いです。
程よく体を動かすことは大切ですが、疲れがたまるほどの動きすぎは子宮が収縮する原因となります。
運動中にお腹が張る場合には、すぐに中止しましょう。

お腹の張りを防ぐためにできること

お腹の張りを防ぐためには、体を締め付けないことがとても大切です。
ただでさえ子宮や骨盤周りの血流は妊娠中に起こしやすいので、体を締め付けるような下着や衣服を身につけることで、お腹の張りが悪化してしまいます。
骨盤ベルトで腰痛を予防するという妊婦さんは多いと思いますが、正しい方法で装着しなければ、骨盤の固定に効果がないどころかお腹の張りの原因になります。

さらに、お腹の冷えや疲れストレスも子宮に刺激となりお腹の張りが悪化する原因となりますので、要注意です。